高峰司法書士事務所では、
交通事故問題や労働問題にも力を入れて業務を行っています。
今日は、交通事故の問題がメインですが、労働にも少し関係するお話しをしてみます。
特に交通事故については、保険の関係をしっかりと理解していないと思わぬ損失を被ってしまうことがあります。
交通事故でお悩みの場合は、それなりの専門家へご相談することをお薦めします。
上記の設問に対する答え
田中さんに対する補償は、労災からでも自賠責保険からでも受けることができます。
ただし、その利用の仕方によって受け取るべき補償金の額がちがってきますので注意が必要です。
詳細の検討
設問の場合、どのように考えるのかについて簡単に検討してみましょう。
田中さんの本件交通事故の過失
田中30 対 加害者70
田中さんの入通院期間
入院日数 =30日
通院期間 =90日
実治療日数=60日
田中さんの被った損害
医療費 = 金90万円(自由診療・入院雑費含む)
休業損害 = 金60万円
慰謝料 = 50万4000円(4200×120)
後遺障害 = なし
合計 = 200万4000円
上記の場合に、
田中さんが一番得をする補償金の受取り方
細かい話は抜きにして考えた場合ですが・・
- (1)医療費
- 医療費の支払いは健康保険を使います
- 自己負担30%の場合の医療費27万円
- この27万円は自賠責に請求します
- (2)休業損害
- 労災も利用します
- 労災から給与損害の60%が支払われます
- つまり・・労災から36万円を受け取ります
- 残りの休業損害金24万円は、自賠責に請求します
- (3)慰謝料
- 労災から慰謝料が支払われることはありません
- 慰謝料の全額を自賠責に請求します
- つまり・・・50万4千円を自賠責に請求します
☆ 自賠責での補償の上限は120万円です。
☆ 自賠責を超えると、任意保険(加入している場合には・・)から支払われることとなりますが、その場合には過失割合が問題となってきます。
☆ 上記のようにすることで、自賠責の範囲内(医療費=27万円 + 休業損害24万円 + 慰謝料=50万4千円の合計金101万4千円)に収まるので、過失割合を考える必要がなくなるため、一番有利となります。
☆ なお、交通事故の補償金の考え方には、「自賠責基準」「任意保険基準」「裁判所基準」の三種類があります。
☆ 基本的には「裁判所基準」で考えるべきですが、今日の設例では便宜上「自賠責基準」で考えた場合です。
☆ なお、労災保険には「特別支給金」というものがあり、休業給付に20%の上乗せがあります。これは自賠責を使う使わないに限らず申請できますので、自賠責の給付を受ける場合にこれを申請しないで本人が損をしていることがありますので注意が必要です。
まぁ、少しわかりにくいと思いますが、ザックリいってこんな感じです。
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「陽だまりで、遊ぶ落ち葉に、童歌」
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The Loner – COZY POWELL