「天下の悪法」と呼ばれる法律は沢山あります。
今日は、そんな天下の悪法の中から「らい予防法」についてです
少し前になりますが、
ハンセン病のお話を聞く機会がありました。
ハンセン病について考えるにあたり、避けて通れないのが
「らい予防法」
ですね。
この「らい予防法」ですが、
ざっくりと、
明治４０年の施行された「癩（らい）予防法・昭和28年8月15日廃止
と
昭和２８年に施行された「らい予防法」
とに分かれています。
いずれの「らい予防法」でも、ハンセン病患者の隔離政策が取られており、
ハンセン病と診察されると、有無を言わさずに患者は家族からも社会からも隔離されました。
らい予防法の目的
では・・・
国はこの「らい予防法」で何をしたかったでしょうか？
明治４０年の施行された「癩（らい）予防法」では、
第一條 醫師癩患者ヲ診斷シタルトキハ患者及家人ニ消毒其ノ他豫防方法ヲ指示シ且三日以内ニ行政官廳ニ屈出ヘシ其ノ轉歸ノ場合及死體ヲ検案シタルトキ亦同シ
第二條 癩患者アル家又ハ癩病毒ニ汚染シタル家ニ於テハ醫師又當該吏員ノ指示ニ從ヒ消毒其ノ他豫防方法ヲ行フヘシ
第三條 癩患者ニシテ療養ノ途ヲ有セス且救護者ナキモノハ行政官廳ニ於テ命令ノ定ムル所ニ從ヒ療養所ニ入ラシメ之ヲ救護スヘシ但シ適當ト認ムルトキハ扶養義務者ヲシテ患者ヲ引取ラシムヘシ
そして・・
昭和２８年に施行された「らい予防法」ではその目的として
第一条 この法律は、らいを予防するとともに、らい患者の医療を行い、あわせてその福祉を図り、もって公共の福祉の増進を図ることを目的とする。
とされていますが・・・・
端的にいうと、
らい病に罹患した人を隔離したかったということです。
では、
なぜハンセン病の患者を社会から隔離したのでしょうか？
患者のため？
家族のため？
その側面がなかったわけではないにしても、少なくとも「らい予防法」で行われた隔離政策は「国の利益のため」が根本にあるようです。
もちろん
「らい予防法」がハンセン病患者にとって何一つ役に立たなかったなどとの極論を言うつもりもありませんが、
らい予防法に光りと影があるとすれば、影の部分が光りを覆い尽くすような気もします。
ところで、
社会保障・税番号制度
国民総背番号制度である「社会保障・税番号制度（俗称・マイナンバー）」がいよいよ本格的に動き出しますね・・
内閣官房のホームページによると
マイナンバーによって実現する社会とは
- より公平・公正な社会
- 社会保障がきめ細やかかつ的確に行われる社会
- 行政に過誤や無駄のない社会
- 国民にとって利便性の高い社会
- 国民の権利を守り、国民が自己情報をコントロールできる社会
ということらしい・・・・
果たしてこれをそのまま鵜呑みにしてもよいのだろうか？
という疑念がどうしても払拭できないわけです。
実際問題として「何を綺麗事を言ってんだ？」と考えているわけですが・・・
司法書士にとって「マイナンバー」
司法書士としては、マイナンバーが本人確認に使えるのか？
っていうことを考えるわけですが、これについて内閣官房のホームページのQ&Aに下記の記述があります。
法律や条例で定められた手続き以外の事務でも、個人番号カードを身分証明書として顧客の本人確認を行うことができますが、その場合は、個人番号カードの裏面に記載されたマイナンバーを書き写したり、コピーを取ったりすることはできません。
ん・・・
取得したとしても、その番号がその人のもの・・という確認もできませんし・・・まぁ・・と言うことなので、マイナンバーを本人確認に使えることは無さそうです
逆に、誰かを雇ったときには、いらん仕事が増えるだけで、国民にとって何も良い事はないと思うけど・・・
結局、マイナンバーで誰が得をするのか？？
マイナンバーの真の目的は？？
ってのを考えたときに・・・
冒頭の「らい予防法」と「マイナンバー」とを比較したり、ましてや同列に語ることに無理があるということは百も承知しています。
そういう直接的な比較とかと言う意味ではなく・・・
国がすることには必ずに光りと影があり、純粋な国民という立場にたてば、どう運用するのかで「マイナンバー」も影の部分が光りを覆い尽くすような気がする・・・「マイナンバー」が天下の悪法じゃないことを祈る・・・
ん・・・・
ちなみに・・・
住基ネットで配布された背番号って・・・これからどうなるのでしょうね（笑）
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今日の一曲
この人の才能も素晴らしい
さだまさし 「防人の詩」
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