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家族が亡くなったら・・その2

2014年9月4日 By 高峰博文

家族が自宅で亡くなったら家族が亡くなったら・・・その2

今日は、家族が自宅でなくなった場合の続きで、なぜ在宅医のいる方は、まず在宅医へ連絡をしなければならないのかを小説風に書いてみました。

「余計にわかりずらいわ」
と言うクレームは現在受け付けておりませんので、予めご了承くださいますようお願い致します。

それでは、始まり始まり・・・

千紗(ちさ)

暦の上ではとっくに秋になったはずなのに、昼間はまだまだ夏の忘れ物のような蒸し暑さだ。

それでも夜になると蒸し暑さも影を潜め、開け広げた窓からは、秋特有の少しだけ侘しさを含んだ初秋の声が虫の音とともに静かに響く・・・

そんな初秋の夜風にまどろむ一時が千紗も私も好きだった。

「お父さん・・」

「お父さんってば・・ちょっと来て、早く来て」

今年高校にあがったばかりの娘の声が震えていた。

妻の千紗とは、田舎の福島の小中学校の同級生だった。

私が中学校の途中で親の転勤で神奈川県に引っ越したあと、神戸で働くようになったときに偶然千紗と再会したことがきっかけで18年前に結婚した。

子どもは娘と息子、たくさん苦労もしたけれど、家族でそれなりにうまくやってきたし、これからも家族の幸せな時間が続くと疑わなかった。

1年前、千紗が倒れ入院をした。

そのときに医者から、末期のガンで、余命半年を宣告されていた。

恥ずかしい話だが、千紗が病気で倒れてから、こんなにも千紗が自分にとって大きな存在だということに気が付いた。

千紗のたっての願いで、そして在宅医や看護師さんのおかげで何とか自宅療養を続けていたが、2週間ほど前からは、素人にもわかるほど衰弱し、ガンによる痛みも、自宅ではコントロールできないほどに悪化していた。

5日前に、千紗が涙を流しながら「ホスピスへ入院したい」と声を絞り出した。

自宅での療養は限界にきていた。

明日は、千紗がホスピスへ入院する日だ。

私も子どもたちも、そして何より千紗自身が、

今夜が家族の全員で自宅を過ごす最後の夜になると覚悟もしていた。

「おかあさん・・」

声を枯らして母にすがる長女の様子と、ベットからダラッと落ちた千紗の左手が、千紗が危険な状態であることを遠目にも示していた。

急いで妻のもとへ駆け寄ろうとしたけれど、自分の体じゃ無いみたいに体が重い。




千紗の願い

「きゅ・・」

「救急車!」

近くの受話器を手にかけた。

指が震えているせいか、プッシュホンの番号が滲んで見えるせいか、最初の「1」を探す時間がもどかしい。

気が付くと酸欠状態の金魚のように、口で息をしていた。

気持ちを落ち着かせるために顔をあげて鼻から深く息を吸いこんだ。

目の前の壁に紙が貼っていた。

千紗は何でも「忘れないように」とメモにして、冷蔵庫やらテーブルの上やら、はてはパソコンのディスプレィにまで、メモを貼っていた。

私は、よくそんな千紗を笑ったものだ。

電話の上に張ってあったメモには、

「山田先生に電話」

と書かれていた。

千紗に、「私に万が一の事があったら、必ず一番最初に主治医の山田先生に連絡してね」と言われていたことを思いだした。

山田先生に連絡をすると、夜遅くにも関わらずすぐに往診にみえられ、そこで山田先生から千紗が亡くなったことを現実のこととして聞かされた。

山田先生は私たち家族に向かってか、ひとり言なのか・・

「私も色々な人の最後に立ち会っていますが、奥さんはとても安らかなお顔で眠っているようでした」

「なぐさめにはならないと思いますが、きっと最後まで家族に囲まれて幸せだったんでしょうね」

と呟かれた。



山田先生を見送り、

泣き疲れた娘と息子を寝付かせたあと、

千紗との静かな時間を、

久しぶりに二人きりの、

千紗と二人・・・

「そういえば、大人になってから初めて出会ったのも、今日のような初秋の夜だったね」

いつの間にか途絶えた虫の音のせいか、初秋の夜の風はより一層の寂しさを纏い、千紗の髪を緩やかになでて消えた。

「キミは、風とともにあらわれて、風といくんだね」

ただ、

今は千紗と二人で、千紗との時間を想い、最後の朝を惜しむだけ




千紗の願い叶わず

「きゅ・・」

「救急車!」

近くの受話器を手にかけた。

指が震えているせいか、プッシュホンの番号が滲んでいるせいか、最初の「1」を探す時間がもどかしい。

何とか119番に連絡をとり、救急車が自宅へ来ました。

救急隊員の方は、ちかくの病院へ千紗を運んでくれましたが、そこの病院はこれまで千紗が治療をしていた病院とは違うところでした。

まもなく、千紗の死亡が病院の先生によって確認されましたが、私は誰もいない冷たい病院の廊下の長いすに腰を落とし、千紗が死んだ事実を受け入れることができずにいました。

どれくらいの時間が過ぎたのだろうか?

悲しみにくれる間もなく、「藤原さん・・藤原健一さんですか?」声をかけられました。

「私、中央警察署の鈴村といいます」

「同じく、里山です」

「・・・警察の人ですか???・・」

警察の人からの突然の呼びかけでした。

鈴村と名乗る人が続けて

「いや・・・奥様がお亡くなりになったと聞きました。謹んでお悔やみ申し上げます」

「それで・・・ちょっと・・・奥様がお亡くなりになられた経緯などのお話を伺いたいのですが・・」

    ※ 救急車で病院にはこばれて、医師が死を看取ったとしても、死因が明らかでないと判断した場合(=いわゆる異常死の場合)には、医師は24時間以内に警察に届け出(医師法20条)を行わなければなりません。
    ※ 仮に、救急車で運ばれてきた方が、その病院のかかりつけの人であっても、「急死」の場合には、それが病死なのか判断できずに死因が不明と判断されることがあります。
    ※ 救急車で運ばれてきた方が、初見の方の場合には、ほぼ不審死として警察へ連絡がされます。
    ※ 警察へ連絡がいくと、警察が死体の検視をし、犯罪性の有無を調べます。同時に医師による検案(遺体の診察)が行われます。
    ※ 犯罪性が確認できない場合には、医師の死体検案によって死体検案書が作成されます。
    ※ 検案によっても死因が究明されない場合には、東京23区などの監察医制度の地域では遺族の同意がなくても監察医務院で行政解剖を行って死因を調ることがありますし、遺族の希望があれば病理解剖を行うか(有料)こともできるかもしれません。
    ※ 犯罪性があると判断された場合には、司法解剖となることもありえます(刑事訴訟法第129条)。

結局、警察からは色々な事をしつこく聞かれ、妻とも検案中だとの理由で翌朝の11時まで会わせてももらえず、それが彼らの仕事だと理解はしていても、何とも無情な時間ばかりが過ぎていきました。





・・・と言う訳で・・・

自宅療養をされている方はできる限り
「在宅医」もしくは「かかりつけのお医者さん」をもってください。

そして、もしも自宅で息をひきとったら、119番や110番の前に、必ず「在宅医」など、駆けつけてくれるお医者さんに電話してくださいね。

明日は、時間があれば「在宅医」がいない場合の話をする予定(^^;)


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