何を馬鹿なことを
ちょっと裁判のことを知っている人からはそんな言葉が聞こえてきこえてきそうですが・・・
司法書士になろうと思い、法律の勉強をする以前は、裁判は公平で正しい者の味方だ・・つまり、正義が勝つものと思っていました。
しかし
裁判の真実
司法書士の勉強の途中から、「ん???」と感じるようになりました。
そして、実際に司法書士になり、裁判事務に携わるようになると、正義が勝つわけじゃ無いことを実体験として知りました。
裁判で正義が勝つのか?
大昔、裁判のことをよく知らなかった時代の裁判のイメージは、
例えば、「AさんがBさんに100万円を貸したけれど、返してもらえない事実があった場合」
Aさんが、Bさんを相手に「100万円を返せ」という裁判をすれば、裁判所はAさんの言い分を認めて、Bさんから100万円を回収してくれるような感じだと思っていました。
まぁ、Bさんも100万円を借りたこと返していないことを認めれば、たしかにAさんの言い分は認められますが・・・
Bさんが、「俺は100万円など借りていない」と言うとどうなるのでしょうか?
Aさんは「Bさんに100万円貸した」ことを、裁判所に証明しなければなりません。
たとえ、本当にAさんがBさんに100万円を貸していたとしても、この「100万円貸した」ということを裁判所に証明できなければ、Aさんの言い分は認められなくなります。
少し考えると、裁判官は全知全能の神ではないのだから、当事者双方の言い分が食い違っている場合、どちらの言い分が正しいのかは、提出された証拠によって判断をするより他ないということは、まぁ、あたり前っちゃ当たり前ですが・・・。
Aさんが、Bさんに100万円を貸したのが事実でも、何の証拠もなければ、Bさんに「そんなん借りてない」と言われてしまえば、裁判でAさんが、Bさんに100万円貸したことを立証しない限り、Aさんの言い分は認められなくなります。
よくある相談
「知人に金を貸したけど返してくれない」
「契約書は作っていない」
「領収書ももらっていない」
「お金を返してくれないから裁判してくれ」
と言う相談がたまにあります。
この場合、カッカして直ぐに裁判をするのは得策ではありません。
証拠を残しておこう(証拠を作ろう)
たいていの場合は、相談にみえられるまでに、さんざん返済の猶予をされている場合も多いのですが・・・
それでも、このような場合には裁判をする前に、
再度の返済の猶予を与える(分割払いも考慮)代わりに、「金を貸し渡した事実」と、ついでに「返済を受けていない事実」を書面への署名押印をもとめる
ことをお薦めします。
実際に裁判をするのは、その後(返済の猶予を与えたのに、それが守られなかったとき)にするのが得策です。
また、争いごとが金銭の回収に関することならば、可能ならその書面を執行認諾文付きの公正証書で作成しておけば、裁判の手間が省けますので、一石二鳥です。
債権の回収
ちなにも、裁判で勝っても、自動的に裁判所がお金を回収してくれることはありません。
お金を回収する為には、強制執行をする必要があるかもしれませんが、まぁ、何をしても金の無い人からは回収できません・・・(^^;)
だから、本当に裁判をする意味があるのかの判断も重要です。
親しき仲にも礼儀あり
たとえそれが、親友であろうとも、お金の貸し借りは書面に残しておきましょう。
「俺が信用できないのか?」
そんなことを言う人は信用できません(爆)
相談のご予約メールフォームはこちら
コメントを残す