妖怪復活
自民党が貸金業の規制緩和を検討しているのをご存知の方も多い思います。
その内容は、
-
健全経営だと認可された業者に限って20%の上限金利を29.2%に戻したり、総量規制を撤廃する
という話らしい・・・・
これは、リスクに応じた金利や限度額で融資できるようにして、銀行から融資を受けにくい中小企業が借入しやすくする狙いがあるという建前のようですが、
ちょっと待ってくれ!
おかしい
絶対におかしいよ
その理由をこれから説明しよう。
定期預金の金利
2014年7月現在、銀行で一年間の定期預金を行った場合の金利は、
大体・・0.02 ~ 0.3% のようですが・・
日本銀行金融機構局のデーターによると一年間の定期預金の平均利率は、
0.026%
となるようです。
つまり、
100万円預けると,一年後に、金260円も金利がつくので、
金100万0260円
(1,000,000 ÷ 100 × 0.026 = 260円 + 1,000,000 = 1,000,260)
になります。
ちょっと奥さん・・聞きました?
100万で260円ですよ
260円
100万も預けて、たったの260円でっせ
(>_<) 失礼しました。 まぁ、それは良いんですが・・
戦いの歴史
サラ金と消費者との長い長い戦いをへて、
やっと、貸金業法が改正によって、サラ金の貸出上限金利が
利息制限法の上限金利と同じ金利である
- 10万未満
- 20%以下
- 20%以下
- 10万以上、100万未満
- 18%以下
- 18%以下
- 100万以上
- 15%以下
- 15%以下
となった訳です。
それ以前は、上限金利29.2%
平成12年6月以前の上限金利は40.004%
平成3年11以前は54.75%
昭和61年11月以前は73%
昭和58年11月以前は109.5%・・
という暴利を貪っていたサラ金でしたが、このサラ金の利息も時代とともに徐々に下がって、やっと利息制限法の上限金利まで下がったのです。
とはいえ、利息制限法の上限金利でさえ、今の定期預金の金利と比較すれば、べらぼうな暴利です。
比較
ためしに、その時々の定期預金の金利と、サラ金の上限金利との比べるとどうでしょうか?
例えば,
平成2年当時の定期預金の金利は約6%
ありました。
この
平成2年当時のサラ金の上限金利は上記のとおり54.75%です。
また
平成6年年当時の定期預金の金利は約2.5%ありました。
つぎに
平成6年当時のサラ金の上限金利は上記のとおり40.004%です。
そして
現在の定期預金の金利は約0.026%で、現在のサラ金の上限金利は上記のとおり18%です。
それぞれを比率(各時代の定期預金金利を1と仮定する)に直すと
平成2年当時
定期預金金利 6% : サラ金上限金利 54.75%
定期預金金利 1 に対して、サラ金の金利は、約 9 倍
平成6年当時
定期預金金利 2.5% :サラ金上限金利 40.004%
定期預金金利 1 に対して、サラ金の金利は、約 16 倍
現 在
定期預金金利 0.026% :サラ金上限金利 18%
定期預金金利 1 に対して、サラ金の金利は、約 90 倍
おわかりでしょうか?
・・・見てのとおり・・・
実は預け入れ金利と,貸し出し金利の関係だけを考えた場合、平成2年度当時と現在との比較では、なんと、約10倍以上も状況が悪化しているということです。
今の定期預金の金利を基準にするのであれば,サラ金の上限金利は0.234%が正当な金利・・ということになりますね。
まぁ、さすがにサラ金が0.234%の金利で貸し出すことができないことくらい、経済音痴の私にもわかりますが、利息制限法の上限金利だって、大概もの凄い金利だということも、経済音痴で計算が嫌いな私にもわかります。
つまり今の定期預金の金利を基準とするのであれば,今の消費者金融業者の金利(18%)でも、十二分に暴利を貪っているんじゃないでしょうか?
利息はお金の使用料とも言われていますが,同じお金を借りるのなら支払うお金の使用料を上回る利益を得る為にお金を借りないと死に金です。
単に遊びたいから・・旅行に行きたいから・・というくだらない理由でお金を借りると,結局それが借りたものよりも大きくなって自分に返ってきちゃいますので,どうしてもお金を借りる必要があるとき以外は借りないことが大切です。
銀行などへの預け入れ金利と、逆に貸金業者が貸し出す金利とを比較することに意味があるのか?・・無いのか?
その判断はこれを見てくれた人にお任せしますが、少なくてもサラ金の上限金利をこれ以上あげる政策には私は反対です。
そんなことの前に、定期預金の金利が上がる政策をおこなうのが、政権を担う者の責任じゃないでしょうか?
ところで今日も良いお天気で、夏の日差しでとろけそうになりますが、それとは裏腹に、懐が・・寒い・・。
せめて私も暴利を貪って懐を暖かくしたいものですが・・そんな話は・・これっぽっちもありません・・残念・・。
相談のご予約メールフォームはこちら