「人・物・意思」の確認
司法書士は登記の専門家です。
なので、
司法書士試験に合格した後に行われる新人研修でも、不動産登記等に関係する研修の中で、繰り返し「人」・「物」・「意思」の確認を行うことの大切さをしつこく教えられます。
「物」の確認
これは不動産登記におけるまさしく「不動産」の確認のことであり、これから登記を行う不動産が間違いなくその不動産であるのか?・・という確認で、登記簿や現地の確認、公図等で比較的安易に確認ができます。
問題は
「人」
と
「意思」
の確認です。
「人」の確認
簡単に言うと、
不動産取引において、これから取引を行おうとする不動産の所有者が「A」とした場合に、
目の前にいる人が間違いなく「A」なのか?
それとも「A」以外の人なのか?
ということを確認することが「人」の確認です
「意思」の確認
「物」は間違いない、「人」も間違いない、最後は「意思」の確認です。
例えば、「田中一郎さんが、その所有する、兵庫県神戸市加古川町姫路1丁目1番の土地を、売却しようとしている」場合、田中さんに当該不動産を本当に売却するつもりが有るのか否かの確認が、この「意思」の確認ということになるのですが・・・
さて!
「物」「人」「意思」の確認は全て行った
「物」「人」「意思」に問題は無かった
これで司法書士としての責任は果たしたのでしょうか?
プラスα
上記で「いいんじゃね?」と考えることもできるのですが、
もしも、田中さんが、破産者で復権を得ていない人だった場合はどうでしょうか?
もしも、田中さんが、被補助人・被保佐人や、被後見人であった場合はどうでしょうか?
もしも、田中さんが、強迫などの不法行為によって本当はイヤイヤ売却に協力させられていた場合はどうでしょうか?
まぁ、考え出すと夜眠れなくなりそうですが、司法書士としてどこまで確認をすべきなのかは、その人の職務姿勢に直結しているのかもしれませんね。
ただ・・・・・
上の様な確認を、取引の場で行うことは、中々に大変なことなのですが、私はそれが取引の安全につながり、また、司法書士の職責だと考えて、不動産取引や抵当権設定登記の際に必ずシレっと行うようにしています。
だから・・・
どうか皆さま、司法書士の本人確認などにご協力賜りますよう心よりお願い申しあげます。
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