今日の朝・・悪夢にうなされ目が醒めました。
悪夢を忘れないように覚書です(^^;)
平成27年5月17日・・
大阪都構想の是非を巡る住民投票が大阪で行われます。
まぁ・・
私は兵庫県に居住する部外者ですので、あまり大阪都構想に興味も関心も無いのが本音のところですが・・
ただ、一点だけ・・
どうしても気になることがあります。
それは、大阪都構想の一環で、水道事業の民営化を掲げていることです。
水道事業の民営化
ちょっと考えてみてください。
水道=水
水は命の源です。
当然ながら人間も水が無ければ一週間も生きてはいけません。
その水を民営化することには、個人的にもの凄い抵抗があります。
なぜかといいますと・・・TPPがその後ろに控えているからです。
TPP??
TPPが何の関係があるんじゃい??
って思いましたか?
たぶん・・おそらく・・近い将来にはこの両者は深~く関係してきます。
どういうことかといいますと・・・
その前に、ちょっと「郵政民営化」を思いだしてください。
郵政民営化
小泉氏が首相のときに行われた「郵政民営化」ですが、
第一に・・
郵貯や簡保の資金は、これまで特殊法人の事業資金として活用されてきましたが、これら350兆円もの膨大な資金が官でなく民間で有効に活用されるようになる。
第二に・・郵政民営化しても、全国に津々浦々に存在する郵便局のネットワークはなくならないし、民間の知恵と工夫で新しい事業を始めることが可能になる。
第三に・・
郵便、郵貯、簡保は、公務員でなくてもできる事業だ。
第四に・・・
郵政民営化によって、郵政事業により税金を払われるようになるので、将来増税の必要が生じても、増税の幅は小さなものになる。
第五に・・・
「民間にできることは民間に、行財政改革を断行しろ」「公務員を減らせ」と言いながら郵政民営化に反対というのは、手足をしばって泳げというようなものだ
ということだったと記憶しています。
郵政民営化の是非は、今日の話の本筋ではありませんので横に置いといて・・・
郵政民営化によって、誕生したのが
日本郵政株式会社
株式会社ゆうちょ銀行
株式会社かんぽ生命保険
の3社で、これら3社をまとめて、「日本郵政グループ」と呼びます。
ところで、今の日本郵政グループ各社の株式って誰が持っているのでしょうか?
実は日本郵政グループ各社の株主は、財務大臣が 100%保有しています。
まぁ、現状では民営化されたとはいえ、今はまだ実質的に国が管理しているのと等しい状況です。
そんな日本郵政グループ各社は、2015年秋の株式上場を目指しています。
まぁ、民営化されたのですから、株式を上場することは予測の範囲内でしょう(笑)
さて、問題は・・
この日本郵政グループの株式を誰が購入するのか?
ということです。
そんなもの・・誰が買ったって同じじゃ無いか?
と考えることもできますが、ちょっとそれは危ないです。
単純に考えた場合、
株式会社は誰のものなのか?・・
という答えは、
「その資本金を提供している者の所有物だ」
と言える
もっとはっきりと言えば、
「民営化」=企業の私有化 ということであり、
企業の目的は「営利事業」であり、
営利事業の目的は「金儲け」です。
まぁ、それでも日本のためにそれらの資金が使われた結果、広義の意味で日本でお金が循環するのなら、良しとできますが・・
問題は、
この日本において、日本郵政が担っている役割を考えると・・これら各社の株式が上場されたら必ず外国の資金が入ってくる・・というか・・「日本郵政が外国に買われる」ということだ。
ここで問題となるのが、日本郵政グループの中でも特に「ゆうちょ銀行」と「かんぽ」だろう。
この2社が扱う莫大な資金は、日本の・・・特にお爺ちゃんおばあちゃんはゆうちょ銀行に預金していることが多い・・
その大切なお金の使い道に、株主の意向が無視できなくなったとき・・それらのお金が日本から出て行くことになりはしないのか?
という疑問が湧くわけです。
お金が日本から出ていったって、株主として損はできないのだから、ちゃんと利息がついて帰ってくるから別にいいんじゃないの?
って考えましたか?
たしかに、株主として損はできません。
じゃ・・何も問題ないじゃないか??
本当に??
ハゲタカファンドが何を考えるでしょうか?
彼らは長期に株式を保有して、その会社を育てよう・・なんてことは微塵も考えていません。
彼らの目的は、誰かの資金を預かって、その資金を増やすことが目的です。
しかも、それはできるだけ短期間でやらなければいけません。
考えられるシナリオとしては、
郵貯やかんぽの資金を外国への投資にまわし、いかにもそれがうまくいっている風を装います。
いや・・たぶん・・本当にうまく資金を回すハズです。
そうして、いったんは、株式の資産価値を上昇させたうえで、ある時期に、一気に高値で売り抜けます。
ここで、「ある時期」というのが問題です。
ハゲタカファンドが売り抜けた時期を境にして、海外への投資が焦げ付きを起こしだします。
そして、大切な郵貯やかんぽのお金が、海外に消えていくこととなるはずです。
忘れてはいけないのは、この際に、日本郵政の株式を高値で買った日本人の投資家が、その後の日本郵政株の下落によって損失を被ることとなり、二重の意味で日本のお金が海外へ流失する事態となるかもしれません。
まぁ、
上場されたからと言って、いきなりそういう風になる訳じゃないですが、外国資本・・特にアメリカの投資ファンドはこんな美味しいあめ玉をほおっておくことは無く・・・徐々にではあってもかなりの部分を吸い上げられることになるのではないのか?
という危惧はどうしても捨て去ることができません。
そりゃ・・それが・・
資本主義社会なのだから、そんなことは大した問題じゃないとも考えられるし、それが悪いことなのか良い事なのかは、色々な考えがあるだろうし、それの是非も今とやかく言うつもりもありませんが・・
株式を上場するということは必ずそういうリスクというか仕組みであるということを意識しておく必要があると思います。
ということで・・
話を大阪都構想に戻しましょう(笑)
しつこいですが・・・
水は生命の源です
極端な話、「郵便局」が無くても、「郵貯」が無くても・・「かんぽ」が無くても、人間は死にません(^^;)
しかし、水資源は別です。
人間は、水が無ければ生きていけません。
ここで、
水道事業を民営化することとはどういう事なのでしょうか?
ということを考えた場合・・・
大阪都構想のQ&Aの中で、
大阪都構想で語られる水道事業の民営化によって住民サービスは低下しないのか?という「Q」に対して
「水道事業を民営化することで、事業費の圧縮、設備の計画的な更新、水道料金の値下げを進めていきます」
という回答がされています。
さて、これは本当でしょうか?
民営化した当初・・おそらく10年間程度は、大阪(都)が、その株式を保有するでしょう。
しかし、それら相当期間が経過した後はどうでしょうか?
民営化したのだから、当然どこかの段階で、その株式を上場しようとするはずです。
その株式を買うのは、恐らくアメリカのヘッジファンドはもちろんですが、郵政とはちがい、それら属にいわれるハゲタカファンドのバックにはアメリカの水道事業を行う会社がいることが予測されます。
まぁ、何処が株式を買っても良いのかもしれませんが・・
問題は結局、
大阪で水道事業を行っているのがその1社である・・
と言うことなんじゃないでしょうか?
繰り返しますが・・
「民営化」=企業の私有化 ということであり、
水事業の民営化とは、その企業の「営利事業」であり、
営利事業として考えれば、その目的は「金儲け」です。
ここで、同業他社がいれば、そこで競争原理が働き価格の下落が考えられなくもないですが、一社独占事業を民間会社に任せれば、民間企業である以上、儲けを最大限に引き出すための事業を行うのであり、その結果がどうなるのかは子供でもわかる理屈ですね。
どう考えても、
民間で競争が無い状態で本当に水道料金を値下げするなんてことがあるのでしょうか?
そんなバカはいません(笑)
競争相手がいない・・ということは・・その価額を自由に設定できる=必ずぼろ儲けすることができる・・ということです。
実はこれと近い事例が、ボリビアのコチャバンバでありました。
後に
「ボリビアの水戦争(ご興味があれば、「ボリビア 水戦争」でGoogleでもYahooででも検索してみてください。)」と言われる事態となったこの事例を簡単にご説明すると・・・
「ボリビアのコチャバンバ 水戦争」の話
ボリビアのコチャバンバで水道事業が民営化された・・
それは1999年、
世界銀行やIMF等が、ボリビアへの貸出金の一部の支払い(約600万ドル?)を免除する見返りとして、それまで公共事業として行っていたボリビアのコチャバンバ(以下、たんにボリビアという)の水道事業を民営化することを迫ったもので、債務の返済に窮していた当時のボリビア政府は、この提案を呑みました。
この際に、公共事業である水道事業を民営化することへの不安を口にするボリビアの国民は、まさしく大阪都構想で語られる水道事業の民営化によって住民サービスは低下しないのか?というのと同じ疑問を国へ投げかけます。
この質問に対して、ボリビアは国民に、大阪都構想での答えと非常に近いのですが、
「水道事業を民営化することで、事業費の圧縮、設備の計画的な更新、水道料金の値下げができます」
というふうな回答をしています。
心配する国民の声を封じて、ボリビアの水道事業は、民間事業へと舵をきったわけですが・・・
その結果・・
何が起こったのかというと・・・
ボリビアの水道事業が民間事業となり、その結果、外国資本の民間水道事業社に買われます。
競争相手のいない水道事業者は、いきなり水道料金を跳ね上げました(2倍~5倍)。
この結果、水道料金を払えなくなり、水道を止められる国民が多数でてきました。
高い水道料金を支払えないボリビアの国民は、やむなく自衛のために、雨水を貯めてそれを生活用水として利用するなどした結果、それらの不衛生な水を摂取せざるを得ないことで病気が蔓延します。
さらに、恐ろしいことに・・
バケツに水を貯められては儲けがでない水道会社が、ボリビア政府に圧力をかけ、それら雨水を貯めることを禁止し、違反すれば逮捕するという事態に至り、国民との間の軋轢は増していき、デモの範疇を超える抗議行動へとつながります。
最後には、
ボリビアの国民が水道事業を自国の公共事業として取り戻したのですが・・・
この話の本当に怖いところはもっと別のところにあります。
・・というか・・
ここからがボリビアの水戦争の本質です。
ボリビアの水戦争とTPP
ボリビアの水戦争・・この時、ボリビアの国民が戦った相手は、アメリカのヘッジファンドであり、アメリカ資本の水道を関するする会社で、その水道会社は米国最大の建設企業ベクテル社の子会社です。
ここで、重要なのが当時、
アメリカの多国籍会社ベクテルは
「投資家国家訴訟制度 ISD=TPPにももれなくついてくる毒薬条項」を振りかざしてそれでボリビア政府を提訴しました。
ところで・・・
それで当時、ベクテルはアメリカ企業なのですが、実はアメリカとボリビアはFTAを結んでいなかったので、普通に考えれば毒薬条項でボリビアを脅すことができなかったわけです。
じゃ、どうやって毒薬条項が使ったのか?
ということですが、ベクテルはボリビアとの間で問題が発生することを想定し、この「投資家国家訴訟制度 ISD」を使うために裏技を使います。
その裏技を簡単にいえば、
ボリビアは、オランダとの間で「両者間投資協定」というのを結んでいました。
そこで、ベクテルはオランダにペーパーカンパニーを作ったわけです。
そして、オランダで作ったペーパー会社に、ボリビアの水道事業に関係をもたせることで、ボリビアとオランダ間の「両者間投資協定」を利用して投資家国家訴訟をしてきました。
その結果、ボリビアは今もこのときの違約金の支払いに苦しんでいます。
勿論・・
大阪が、このボリビアの水戦争のようにここまであらかさまな不都合な事態に陥るとはさすがに思いませんが、いずれにしても、本当に命に関わるインフラを効率化の名の下に簡単に民営化してもよいのだろうか?という疑問は捨て去ることができません。
つまり何が言いたいのかというと・・
日本が加入しようとしているTPPには、毒薬条項が漏れなくついてきます。
大阪の水道が民営化されたあかつきには、それほど遠くない将来にその株式が上場されます。
上場された株式は、恐らくはアメリカの格好の餌食となり、実質てきな話として大阪の水道はアメリカの会社に牛耳られます。
水道事業者として、対抗する会社も存在しないので、実質その会社の思うままの水道料金が設定されます。
もしも、日本政府や、大阪(都)が、それについて文句を言ったり、それを規制する法律を作っても、それが参入障壁である等の理由で、それに優先するTPPの毒薬条項でかき消され、実質的にそれに対抗する術を大阪府民・・いいえ・・日本国民は持ち得ないのです。
その結果、水という生活必需品を裁量権を外国や外国の企業に牛耳られてしまうことになります。
まぁ、よくよく考えれば
これって、もう大阪都構想なんていう枠ではなくて、国防という視点から考えるべきことですね(>_<)
さて・・・
以上の話は、私の今朝見た夢の話です。
これが現実のものとなるか?
かよわい一国民である私に知る術はありませんが・・・
この日曜日は、
興味本位で大阪府民の選択を見守りたいと思います。
※ 本投稿は、大坂都構想に賛成するものでも、反対するものでもありません。
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